コンクリートの歴史は古く、約9000年前につくられたイスラエル南ガレリア地方のイフタフのコンクリートが最古のコンクリートだという説が有力である。
実際に本格的に普及したのは古代ローマ時代(紀元前753年から554年)で、道路、橋、水道施設、劇場、浴場(漫画のテルマエ・ロマエで有名になりました)等、様々な建築物がコンクリート造で建造されました。中でも有名なのが118(工期118-125)年に建設されたパンテオン神殿である。世界最古の木造建築である法隆寺が1300年の歴史があるが(日本人として、誇りに思います)。この建物はさらに600年も前に建造され、1900年の歴史がある。
正面側の列柱は石造だが、内部の円形のドームやそれを支える構造体はコンクリートで作られている。円形のドームの頂上に行くほどコンクリートの厚みが薄く作られていて、構造的な合理性がこの時代にすでに研究されている。なかでも特筆すべきは、ドームの中央に円形の穴が開いていて、そこから雨や風が入ってくる事である。
構造的にドームの中心に穴があるのは合理的ではない、アーチ状の組積造の最頂部の石を要石と呼びます。まさに要の部分を取りのぞき作られた先端部分の穴は、技術革新の象徴であり、それゆえに神を感じる重要な要素になりうるのです(持論です(笑))。しかもそドームのサイズは直径43.3Mもある。バスケットボールコートは28mなので、体育館よりも長いスパンを飛ばしている事になる。この巨大空間を無筋(鉄筋が無い)のコンクリート造で作る技術がローマ時代にすでにあったのである。そして、この建物は1900年後の今もなお、美しいままの姿で現存しているのである。
プランは涙が出る程美しい。ドーム上部を吹く風が、穴から空気を引張る事で、建物内部には上部の穴に向かって上昇気流が発生する。なんとこれは、通気の流れを利用して空へと意識を向けるデザインなのである。雨の日は降り注ぐ雨が床を濡らすのも趣深い。さらに、パンテオン神殿は日時計であり、12時にイエスキリスト様の後ろに後光がさすようにデザインされている。太陽の光や風、雨と密接に関係しているこの建物を体感した時は、感動しっぱなしでした。私の一番好きな建物です。
パルテノン神殿HP
http://www.pantheonroma.com/en/
12時に正面のキリスト様の後光の部分(お祈りの場所に立つと、キリスト様の像と重なります)に光が集まる仕組。
ローマに旅行に行った時に、この建物には幾度となく訪れました。又行きたいです。
この建物を見ながら食べたパスタやピザは最高でした!(^^)!。
ローマに行った時の旅行記を動画にしているので、良かったら見てみて下さい。
鉄筋コンクリート建築の普及。石川県、富山県を中心に活動中
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