お出掛け

バンコク旅行

もう一ヶ月前の話なのですが、バンコクに遊びと研修を兼ねた旅行に行ってきました。

WEBやTVで見ていては伝わらない、風土の香りを嗅ぎながら見るデザインは本質的でとても勉強になるのです。

日本料理をパリで食べても味気ないように、建築もその土地に出向いて、その風土を感じて、初めてデザインの本質を感じれるのです。

なんと、お釈迦様の足の裏に宗教画が書いてあります。
日本の舞踊で見られる「すり足」は足の裏を見せないように考えられた動きですが、逆に足の裏をデザインの特長にしています。
なんとコミカルで大胆なデザインなのでしょう。宗教の象徴でありながら「ボケ」な感じは、日本人にはかなり斬新に感じます。
そもそも寝てますし(笑)。


デザインを作る根源は風土です。どんな土地なのか、海の色、空の色、植物の色、食べ物の色、湿度、温度、気候、地形・・・。様々な要素の影響を受けて、人柄が作られ、文化が作られ、デザインが作られます。なので、その土地に行って、その土地の食べ物を食べて、その土地の人と会話して、その上で建物を見るという事が大切なのです。

バンコクは湿度も温度も高く、排水処理も整備されていないので異臭もしますが、とてもエネルギッシュな国で高揚感がありました。2日間しかいませんでしたが、日本とは全く違う空気を感じる事で、日本の日常を見直すキッカケにもなりました。

ところで、バンコクの旅行でよく問題になるのが、タクシーの対応の悪さです。去年までウーバーが進出して、タクシーのボッタくり問題が緩和されていたみたいですが、今年撤退して、以前のようなタクシー問題が再発しています。

ですが、ボッタくりと言っても、事前に金額をタクシー側から提示されますし、されなければこちらから聞けば良いだけです。その金額で嫌なら乗らなければ良いだけなので、個人的には何の問題も感じませんでした。ぼったくられていると言っても、日本のタクシーの値段と比べると1/3以下です。日本のタクシーは、人件費が2倍かかる代行よりも高単価設定なので、個人的には日本のタクシーの価格の方が気になります。バンコクでは交渉すれば、ある程度金額は下がりますし….。ちなみに、メーターを正式に使ってくれるタクシーを探そうとすると、乗車拒否され、時間を浪費する可能性が高いです。(口頭金額はメーターを使用した場合の3倍くらいです)

ちなみに、タイの物価はイメージ的には日本の7~8割程度です。世界の相場の参考にされるビッグマック指数でも、34位 タイ 412円、35位 日本 380円(2018年)とタイの方が物価が高くなっています。つまり少なくとも、ビックマック購入層を比べた時に、タイの物価は日本より高いわけです。タクシーを乗車する人は、当然ですがビックマック購入層です。国の物価が同程度で、ボッタくりタクシーの価格は日本の1/3・・・。まったくボッタくっていません!ぼったくっているのは日本のタクシーです(笑)。

 

食事も美味しく、人柄も良く、とても楽しい旅行になりました。タイ料理、あまり食べた事なかったですが、パッタイを何回も食べて大好きになりました。


ところで、バンコクは鉄筋コンクリート建築が非常に多く、町の建物の大半を占めています。中でも気になったのが、写真にあるような格子状の日よけが窓回りについたデザインです。この格子状の日よけはブリーズソレイユと呼ばれる伝統的なデザインで、アジア圏に多く見られます。一般的なデザインではあるのですが、ほとんど全てのアパートに採用されているのに驚きました。


ブリーズソレイユをデザインに取り込んだ建物を多く作ったのが、世界三大建築家の一人コルビュジェです。

ユニテダビタシオン フランス・マルセイユ 1952年 鉄筋コンクリート造

 

ラトゥーレット修道院 フランス・リヨン郊外  1960年 鉄筋コンクリート造
(余談ですが、この二つの建物は大学生の時に見て感動した建物です)

ブリーズソレイユは、コルビュジェの建築であまりにも有名なので、コルビュジェが考案したのだと勘違いしている人も多いですが、アジア圏の文化的なデザインを取り込んだだけに過ぎません。文化的デザインを建物のアクセントとして採用し、それを強調して全体をデザインする「編集」が見事なのです。

建築に限らず全てのデザインは何かの編集によって構成されています。

なので、色んなものを見て感じて、体内の取り込む作業(海外旅行)はデザイナーとして必須の活動なのです。

・・・・と言って、妻を説得して行ってきました。
(毎年旅行している、大学からの友達と行ってきました)

羽田からバンコクまで6時間25分。割と気軽に行けるので、3連休くらいで行ってみてはどうでしょう。
ちなみに、旅行代理店は高級ホテルしか扱っていません。町の中心部にあるアクセスの良い3000円/1泊くらいのホテルで、家族旅行でも十分です(むしろアクセスが良く、中途半端な高級ホテルより便利です。最近はインターネットで簡単に予約出来ます。誰でも簡単に海外のホテルを予約する事が出来るようになったので、旅行代理店に頼む必要性が低くなりました。)。

直行便で往復5万円くらいであるので、飲食も含めて込み込みで10万円/1人くらいで行って来る事が出来ます。エキゾチックなオススメの国です。


鉄筋コンクリート住宅をもっと身近に
株式会社RC design studio
http://rc-ds.jp

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