八尾の家

段々形状の家、足場解体

段々形状の家の足場がばれて、全体像が見えてきました。

段形状にする為には、通常柱を数多く設置する必要があります。ですが、壁式鉄筋コンクリート造の場合、平面プランの壁の位置を耐震壁として上手く配置する事で、内部に違和感がないようにプランニングが可能です。ですが、セットバックプランは構造が複雑になります。2階建や3階建程度のセットバックプランであればそこまで複雑ではありませんが、5階建のセットバックは構造とプランニングの整合性を取るのがかなり大変です。

正直、設計中は構造とプランとの整合を取るのに何回も構造の検討を行いました。何処に壁を置くか、どのように部屋を配置するか、何度も試行錯誤しました。そうしてなんとかプランニングが完成したのですが、図面を一べつしただけではどういう建物なのか自分でも解りません。これは、各業者に丁寧に説明する必要があるなと思っていました。ですが実際に現場を取り組んでみると、この複雑な構造を、現場監督の方も型枠大工さんも平面的な図面だけで理解出来ていました。この複雑な図面を理解する為には、図面を見て三次元に構造やプランを頭の中に組み立てる必要があり、理解するのに苦労するだろうと思っていたのですが、部分的な説明程度で、何事もなく現場は進行しました。皆プロなんだと思いました。

建築は多くの職人の方の協力によって作られます。それぞれが、それぞれの仕事を全うする事で一つの建物が出来上がるのです。私の仕事は、設計と監理、デザインと施工の整合性の確認、建築基準法の指示、現場の取りまとめ等です。現場の進行自体は現場監督が行われるのですが、施主様の思いを現場に反映させたり、現場段階の最終的なデザイン的な取りまとめを私が行う事になります。この設計士の仕事は、建物を建てる上で中核をなす仕事ではありますが、建物を建てる上でその仕事内容は一部でしかありません。結局、多くの方の協力なくして建物は完成しないのです。

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