鉄筋コンクリート雑学

鉄筋コンクリートとは

鉄筋コンクリートとは

まずは、コンクリートと鉄の材料の特長を確認しよう。


 

コンクリートの特長

 

■メリット

圧縮強度が強い

火に強い

アルカリ性

 

■デメリット

引張強度が小さい

靭性が小さい


鉄の特長

 

■メリット

靭性が高い

引張強度が強い

 

■デメリット

雨(酸性)に弱い

火に弱い


このように、コンクリートと鉄にはそれぞれ材料特性としてメリットとデメリットがある訳ですが、この二つの材料を組み合わせる事でお互いのデメリットとメリットでカバーする事が出来るのです。

 

鉄は雨や水分に弱く錆びてしまいますが、アルカリ性のコンクリートで包む事で極めて錆にくくなります。

 

鉄は火災の時に火で熱せられると構造耐力が極端に低下してしまう為に鉄骨造は火災に弱いですが、耐火性能の高いコンクリートで鉄を包む事で、建物に高い耐火性能が備わります。

 

コンクリートの引張強度は、コンクリートの圧縮強度の1/10程度しかなく、コンクリート単独では引張りに弱い材料になってしまうが、引張強度の強い鉄筋を配筋する事で引張りに抵抗できる材料になる。

 

コンクリートは固く、揺れにくい特徴がある。揺れにくい事は住宅にとって極めて重要な要素であるが、鉄筋を配筋する事で一定の靭性(ねばり)を建物に持たせる事で、揺れにくく壊れにくい建物とする事が可能である。又、コンクリートは木材と同様にヒビ割れが発生するリスクがあるが、鉄筋で拘束する事で、ヒビ割れの発生を抑制する効果がある。

 

このように、コンクリートと鉄との組み合わせは非常に相性が良いのだが、さらに決定的に運命の出会いとも言うべき要素がある。

 

それは、線膨張係数が同じであるという事である。

 

いかなる材料も材料の温度変化によって伸び縮みします。線膨張係数は、温度が1℃上昇した時にどれだけ材料が伸びるか示した値ですが、なんと、コンクリートと鉄はこの線膨張係数がほぼ同じなのです。

 

この線膨張係数が違うと、材料として一体にはなりません。例えば、鉄だけが極端に温度に対して伸びやすいとコンクリートを割って鉄筋が出てきてしまう事になるのです。

 

お互いのデメリットとメリットでカバーし、さらに線膨張係数も同じ、こんな運命の出会いのような材料だからこそ、鉄筋コンクリートは世界中で最も普及している材料なのです。

関連記事

TOP