私の大学時代にさかのぼってしまうが、やはりここから書かねばなりません。
どうして私が鉄筋コンクリート住宅を自邸として選んだか、
ここが全ての始まりであり、当社が鉄筋コンクリート建築専門店になったはじめの一歩であり、
当社の鉄筋コンクリート建築ブランドTEMPIOの起点となるポイントだからです。
当時私は大学二年生で、千葉工業大学の建築学科に通っていました。
冬休みに、大学主催のサクラダファミリアで有名なアントニオ・ガウディと世界三大建築家の一人ル・コルビュジェの建築を巡るツアーに参加したのですが、そこで見たコルビュジェの建築に強烈な刺激を受けました。
コルビュジェの建築は当時はまだそれほど普及していない鉄筋コンクリート造で作られていて、
コンクリートの荒々しい感じと、窓から差し込む光が非常にドラマティックに交じり合うのが特徴的な建築を多く作っていました。
中でも、私は、ラトゥーレット修道院という建物に感銘を受け「僕もこうした建築を将来デザインしてみたい」と強く思いました。
私は、高校生の頃から将来、建築家として独立する事を漠然と決めていたのですが、
このラトゥーレット修道院との出会いによって、さらに建築の魅力にのめり込んでいきました。
それから10年、
日本中の建築を見に行ったり、
世界の建築も見に行ったり、
コルビジェの建築を見にニューヨークやインドに行ったり、
独立したり、
多くのお施主様から刺激を頂いたりして、
ついに33歳の時に、私の建築家人生の分岐点となる出来事を体験しました。
それは、自邸を建てる事です。
自邸を建てるにあたり、見てきた建築を見なおしたり、色んな工法を検討したり、ありとあらゆる情報を収集したり、色々検討した結果、私が自邸に選んだのはコンクリート住宅でした。
何故、コンクリート住宅を選んだかというと、やはりそれまで見てきた建物の中で心がワクワクした建物の多くがコンクリート建築だったからだと思います。
私自身、コンクリートという素材の迫力があるけど、風合いがある素材感が大好きで、家を作るのであればこのワクワクする材料で作りたいと思っていました。
木造や鉄骨造のデザインも決して嫌いではないのですが、コンクリートという素材の魅力を生かした家こそが、自分の家に相応しいと直感的に感じたのです。
どんな家にするかの決め方は、人の数だけある気がしますが、私の場合は「直感」で決めた事になります。
その「直感」は、自分で見てきた数百という建築によって作られていて、一般の人にはとても参考になるような話ではないのですが、
家づくりの答えは自分の中にあるという事だけは確かだと思います。
どんな家づくりをしたかは私が書いた著書「僕はこうして鉄筋コンクリート住宅を建てた」に記載してあるので、詳しくはこちらをご覧頂きたいのですが、
私は今でも鉄筋コンクリート住宅で家づくりをして本当に良かったと思っていますし、この住宅を本当に鉄筋コンクリート住宅に住みたい人に届けたいと思っています。