特別な地下室がある家【壁式鉄筋コンクリート住宅】


プランニングの方針

敷地の容積率、建蔽率いっぱいに建物を作る要望から、この建物の計画は始まりました。
地下空間は全体の1/3まで容積率に不算入なので、地下空間を地上階と同じサイズで設ける計画としました。
ですが、ここで問題が発生します。地下空間に光が届かず、地下空間がとても暗い空間になる事です。
勿論、地下室は、地下らしく開口部を設けずに遮音性の高い、外界と完全に隔離された空間を求められる事もありますが、今回のケースでは日常的に使う明るい地下室にしたいという事でした。

 




 


地下階段の考え方

そこで、地下に対する採光確保として、ドライエリアと地下への階段スペースを吹き抜けとする事で、地上部分から地下へ光を届ける仕組みをプランニングに組み込みました。一般的な階段計画の場合、地下部分へ降りていく階段と、地上部分の階段を同じ位置に計画しますが、ここではあえて別の位置に計画する事で、地下部分へのアプローチをドラマティックにしながら、同時に、要望である光を階段部分から地下へ導くプランニングとしました。


 


ドライエリアの考え方

ドライエリアからも地下へ光を取り込みました。敷地形状に合わせて斜めにドライエリアの壁を設け、極力大きなドライエリアになるように工夫しました。
地下部分に階段吹き抜け部分とドライエリアの二か所から光を差し込む事で、良い意味で地下らしくない明るい空間を作り出しました。
又、ドライエリアは排水が必要です。窯場を設け、窯場の内部にポンプを二つ入れて交互運転させています。

 


 


高天井の地下空間

天井高さ2.9mの地下空間としました。一般的な住宅の地下空間は2.2m程度と、天井高さが低いケースが多いですが、ここではお客様の要望に合わせて高天井の地下空間を実現しました。この高天井の地下空間がインナーガレージの下に広がっているなんて誰が想像できるでしょうか。デザイン的には、白、黒、グレーのモノトーンの色調計画でスッキリした高級ブティックのような高級感を演出しました。ポイントになっているのが、地下空間正面にある壁に設置した黒い大判タイルと、キッチンの後ろの黒と白のコントラストのはっきりした大判タイルです。大判タイルを空間のアクセントに使う事で、メリハリの利いたデザインとなりました。

照明計画は遠藤照明のスマートレッズシステムを採用。他社では実現出来ない、多彩な色のグラデーションを実現。スマートフォンでも調光設定が可能で、気分やシーンに合わせて照明のシーンを切り替えられる計画としました。お客様と遠藤照明に打ち合わせに行って、操作パネルの設定内容を確認し、住宅レベルではなかなか採用されないレベルの照明計画を実現しました。






 


ビルトインガレージ・玄関

ビルトインガレージの内部まで外部と同じタイルを貼る事で、高級感のあるビルトインガレージを作りました。アプローチの段差を極力無くし、段差が苦手な高級車でもスムーズに入庫出来るように配慮しました。建物のプランニングも全長5Mクラスの大型車がスムーズに入れるように、前面道路から建物をセットバックさせ、前面道路の幅員の狭さをカバーしたプランニングとしました。天井にダウンライトを等間隔で設置し、車のショールームのイメージでデザインしました。玄関部分からも車庫が見えるようにデザインしました。シャッターは防火対応の住宅用オーバースライダー、フラットピットを採用しました。防火地域でもオーバースライダーが採用頂けます。

文化シャッター:フラットピット

 




 



 


高天井でプライバシー性の高いLDK

第一種低層地域に建つこの住宅は、北側斜線が非常に厳しい敷地でした。その中で、各階の階高の調整を行いながら、途中まで傾斜屋根を採用する事で、二階部分の物入や洗面脱衣室は天井を下げながらも、LDK部分に関しては2.9mの高天井を実現しました。この高天井の実現には、傾斜屋根と陸屋根の両方に対応している事と、階高設定が自由である事の両方が求められました。TEMPIOは、その両方を実現出来る工法で、本計画はまさにTEMPIOの価値を最大限発揮したプランとなっています。

一方で、住宅地でありながら開放的な住空間を実現する為に、二階部分の大開口をコンクリートの壁で囲み、LDK空間と連続するようにプライバシー性の高いバルコニー空間を設ける事で、他に無い開放性の高い空間を実現しました。このバルコニーを囲むコンクリートの壁は外観のデザインの特長にもなっています。2m程度跳ね出したバルコニーが突き出したデザインは、木造では実現不可能なデザインであり、内部の特長をそのまま外部の特長とする、機能とデザインを連動させたプランとなっています。

空調計画は全館空調を採用する事で、驚く程、温度差の無い空間を実現しています。均一な温度環境は気流もほとんど発生せず、暑くも寒くもない体に優しい空間となっています。引渡しのタイミングで、この状態ってエアコンフルパワーですか?と聞かれましたが、実際には弱運転で、驚くほどエアコンの効きが良い、快適な室内環境となりました。








 


 

コンクリート打ちっ放しの外観デザイン

圧倒的な迫力のコンクリートの素材感を前面に押し出したデザインとしました。前面道路の傾斜に、突き出したバルコニー空間の塀の角度を揃え、道路が建物に対して平面的に傾斜している違和感を建物で調整する事で、道路と建物との調和を図ったデザインとしました。又、ここがこの建物のデザインの最大の味噌なのですが、二階バルコニーの跳ねだし部分の奥行を1mから2mに傾斜させています。本来、建蔽率もギリギリなので、バルコニーの跳ね出しを1m以下に押させた方が、室内空間が広く確保出来るのですが、あえて部分的に2mとする事で、大胆な外観デザインと、使いやすい開放的なバルコニー空間を実現しました。お客様にバルコニーの最大の奥行を2mに設定した方がリビングの面積が多少小さくなるけど、空間としての質が上がる事を説明すると、一瞬でそっちの方が良いねとなり、こうしてバルコニーによって広がりをもったリビング空間が出来ました。

この彫刻のような存在感のあるデザインは、ハウスメーカーのデザインとは一線を画すもので、お施主様の個性を最大限表現したデザインとしました。



 


 

屋上空間

屋上空間はアルファルト防水+外断熱+土間コンクリート+タイル仕上げとし、耐久性の高い、使用勝手の良い仕様としています。防水層が露出していては、耐久性が低く、そもそも歩行によって防水層が傷ついてしまうので、使い勝手が良くありません。屋上空間の使い勝手を良くするには、防水層の上にコンクリートを打設する必要があるのですが、一般的に屋上空間でコンクリートを打設出来るのはコンクリート建築だけなのです。つまり、必然的に、バーベキュー等の耐久性が要求される屋上空間を作れるのは、コンクリート建築だけという事になるのです。TEMPIOでは、耐久性と使い勝手の両方を考えた防水の仕様で施工しています。庭が取れない小スペースの土地において、屋上空間の価値は高まります。リラックスしたり、運動したり、植栽したり、バーベキューしたり、無限の可能性がある屋上空間としました。

 


 

造作家具の魅力

造作家具には室内空間の魅力を引き上げる力があります。建物の内装に合わせて、デザインされた造作家具を置くと全体の統一感が上がると共に、デフォルメされた家具によって空間にメリハリがつきます。
造作家具は、デザインの選定が難しく、家具図面だけで意思疎通するのは難しいですが、洗練された空間を作るのに不可欠な要素なので、当社では率先して採用しております。

 





 


 

サニタリー空間

トイレや洗面脱衣室もデザインされた空間にしています。幹太くんの架台も造作家具で設置しています。



 


プレゼン

プレゼンから家づくりが始まります。

 

延床面積 300㎡
地下1階 地上2階
壁式RC住宅(鉄筋コンクリート住宅)
TEMPIO PIETRA

 

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