壁式構造・ラーメン構造の違い

鉄筋コンクリート造(鉄筋コンクリート住宅)には、構造的に大きく分けて二種類の工法があります。

壁で構造を構成する「壁式構造」と、柱と梁で構造を構成する「ラーメン構造です」

以下特色を記載します。


壁式構造

コンクリートの壁が、地震や台風に対する水平力を受け持つ耐力壁の役割と、建物の加重やスラブ(床や屋根)の積載荷重を地中に流す柱の役割を果たす。壁と屋根と基礎スラブ床全てで鉄筋コンクリートの箱を作っているので、構造的にもモノコック状態になっている。工法的に過去の震災に対する耐震実績が他工法に比べて極端に優れ、同じ鉄筋コンクリート造のラーメン工法と比べても著しい耐震実績がある。

一方、ラーメン構造に比べて、スパン(柱と柱のピッチ、構造壁と構造壁のピッチ)は小さく設定する必要がある。6M程度までは問題無く可能であるが、それより大きくなる場合は、ラーメン構造を検討する事になる。在来木造の場合は4M程度までなので、一般的な住宅デザインにおいては支障のない程度のスパンには対応出来る。又、水平力(地震・風)に対して耐力壁で抵抗するので、基本的には外周部にはある程度の耐力壁を設置する必要があり、外部に対して開放的なプランには対応しにくいケースも多い。

壁式構造の場合、層間変形角が1/2000程度と極端に小さく、揺れない建物になるので、安心して住める建物になるのは勿論、揺れに対する断熱材の圧縮の問題が無く、断熱材の性能低下が極めて小さい。

 

ラーメン構造

柱と梁で構成されているので、外部に対しても内部に対しても開放的な空間構成が可能である。一方、柱と梁が小規模な空間の場合邪魔になるケースが多い。中規模・大規模建築向けの構造である。専門的な内容ですが、構造的に柱と梁の接合部が剛接合になっている必要があり、地震時に応力が集中するので、局部破壊の可能性がある。

 

当社としては、住宅や5階以下程度までの建物であれば壁式構造の方が耐震実績やコストの面でメリットが多いと考えています。(勿論、プランによってはラーメン構造を採用します。)詳しく知りたい方は、当社のユーチューブ動画をご覧下さい。質問があれば、お気軽にメール下さい。

 

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